成長の段階

人間の修行には段階がある。修行初期段階では、自分でも下手と思い、他人も下手と思う。まだ、役に立たない。中くらいの段階になると、自分の下手も他人の不十分さもわかるようになる。上の段になると、すべてを会得して自慢もできるし、人が褒めるのを喜び、他人の不十分さを嘆く。こうなれば役に立つ。その上、上の上になると、こだわりもなく知らん顔をしている。だいたいの人はこの段階止まりである。しかし、さらにその上に、いうにいえない境地が広がっている。果てしなく深い無限の世界で、これでよしと思うこともできなくなる。自分の不十分さがわかり、これで完成したという思いもなく、自慢もせず、卑下する心もなく、すすんでいく道だ。

葉隠―サムライたちへ(次呂久英樹/高野耕一)」〜四十五 p66

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